夢の続き
Taika Yamani.
裏設定原稿 「もしも男の子だったら」
好きな人の十六の誕生日に、強く迫ってみたけど振られてしまい、泣きながら眠る怜華。
その夜、「もしも男の子だったら」という世界の夢を見る。
怜華の名前は怜悧。朝宮怜悧。
その世界には、片思いの相手である望も、女の子の希として存在していて。怜華は「望は女の子でも可愛い」なんて思っていたが、男の子の自分も好きな子に対していじめっ子で、希はすぐに幼稚舎にはこなくなってしまう。初等部に上がれば望は強くなるとわかっていても、怜華にとって過去の自分を色々考えさせられる夢。しかもこの夢の中では、希は初等部に上がっても強くなれずに、学校にこなくなり、転校までしてしまう。
この頃は素直ではない上にわがままで自分本位だった怜悧は、大荒れに荒れて、一度希の家に会いに行って迷子になって、外出禁止令が発動する。この際、親同士の会話も行なわれたらしいが、希も怜悧もその事実を知ることはなく、時間だけが流れさる。
同時期に、慕っていた祖父が倒れ、怜悧の生活が一変する。怜華には強い望が傍にいてくれたが、この時の怜悧には、強い希は傍にはいない。以降、怜悧は希と会うことなく、親しい人間を作らないような作れないような少年として、初等部、中等部を過ごすことになる。
怜悧が希と再会したのは、高等部に進級した十五歳の四月。
怜華としては、「これが望!?」というくらいの大ショック。
怜悧は贖罪と同情めいた意識から希に優しくするが、他人に必要以上に踏み込むことはしない。希も距離をとり、すぐ怜悧には病気と偽って登校拒否をするようになるから、そう頻繁にも会えない。怜華としてはイライラしてじれったいまま、十六歳の十月、希の誕生日の翌日を迎える。
怜悧の身体と世界で目覚めた怜華。
怜華は怜悧のフリをして学校に行き、珍しく学校にやってきていた希に声をかけるが、いきなり冷たくされて驚かされる。しかも、二時間目の休み時間にも騒ぎが起こって、三馬鹿トリオがだれかとケンカしたという噂が流れるが、その相手が希だという。さらに、昼休みも希のクラスで、なにやら警察沙汰になりそうなことがあったという噂まで。
そして翌日の昼休み、怜華は希に大胆に接触する……。
concluded.
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初稿 2005/03/05
更新 2008/02/29